IT系メモ

興味のあったことや、勉強したことなどをメモしていきます。

女子の「盛る」研究

久保友香さんという方が、「盛る」とは何かという研究をされており、興味深く見ていた。

個人的に面白かったポイントとしては、
自分が所属しているグループ以外からは区別出来ないようなメイクや服装、写真の加工を実施するというのを擬態と同じだとしている。

ここまでだとギャルメイクで言われていることと変わりない。

新しいポイントとしては、所属外のグループからは擬態として個人として批判されることから身を守るが、自分が所属するグループからは個性と言われるようなポイントを持っており、オリジナリティや個体性を獲得しているという点である。

おそ松くんで言われていることと、ポイントが重なっているところが個人的に興味深かった。

SNSが普及したことで、ネットは村社会となり、グループの和を乱す輩は村八分とされるリスクに常にさらされており、和を乱すような個性を発揮することは禁止されているが、だが同時にキャラ立ちしていないとコミュニケーションも取ることができないため、いかに細部に個性と言われるような箇所をいれこむのかに注力する。

さて、盛るというと自撮り写真のことを思い浮かべるが、これを久保友香さんは、作品作りと解説している。

どういうことかというと、スマフォのアプリを複数使いこなし加工をしていくのだが、そこにはルールがあり、グループで認められているルールを破ってはいけない。そしてある閾値を超える直前まで加工をして、個人としての情報をどんどんそぎ落としていくのだが、自分でしか出来ない加工を組み立てていくのである。

アプリが普及してくると、どうも誰でもボタン一つで加工を終わらせるように感じられるが、そういったアプリはグループで使用を許されるアプリであり、それを使わなければ村八分となる。だがそれだけでは許されるわけではなく、更に自分が新しく発見したアプリなどで、自分しか出来ない加工工程を見つけ出さないといけない。

そんなことから、自撮りする女子の間では、加工が終わった写真を作品と呼ぶのだそうだ。

加工の量についても言及されており、CGに不気味の谷があるように、写真から加工し過ぎると、本人とはいえない閾値が存在するようだ。

どこまで加工していいのかは、所属しているグループに依存しており、周囲の状況に敏感になっており、ここまでは加工してOKという判断をしているように見える。