モノブロックストロボ初心者向け
まず始めに、これから書くことは誰かに教わったわけではないので正確ではない可能性があります。こうした方が良いというのがありましたらコメントをいただけるとありがたいです。
モノブロックストロボって何?
モノブロックストロボとは上のような写真を撮るときに使うライティング機材のことです。これで強い光を瞬間的に発光することで被写体を照らします。ちなみにモノブロックストロボは海外では「Monolights」と呼ばれているので、円高だからB&Hから安く輸入しようと考えている方は注意してください。(B&Hはヨドバシカメラのカメラコーナーをより充実させた感じのお店です)
さて、ここでは自分が持っている「コメット TWINKLE-04F III 400wファン内蔵」で説明したいと思います。
モノブロックストロボの背面はこのようになっています。左上はストロボの光の強さを変えます。この機種ではフル発光~1/64まで調整できます。機種によっては1/16とか1/32など変わってきます。
右下は電源スイッチ。
「MODEL」とあるのはモデリングランプのスイッチで、真ん中だとモデリングランプをOFF、フル/ハーフと2段階で光の強さを選べます。例えばメインはフルで、フィルインはハーフで、といったような使い方をします。機種によってはモデリングランプがないものがあります。モノブロックを買うのであればモデリングランプが付いているものの購入をオススメします。瞬間的なストロボ光だけでライティングしていくのは初心者には厳しいです。
「FUNCTION」となっているのは音を鳴らすかどうかです。自分は部屋で練習することが多いので鳴らさないようにしてます。
「P.CELL」というのは2つ以上のモノブロックを使うときに、一つが発光したときに他も発光させる時にONにします。シンクロコードを使って物理的に同期させる方法もありますが、少しでもコードを減らしたいときに使います。
左下の赤いボタンはテスト発光ボタンで、これを押すと設定した強さでストロボが発光します。P.CELL設定がしてあれば他のストロボも同時に発光します。
先端部分についていたリフレクターと呼ばれるものを取った状態です。これはガラスグローブが付いている状態です。ガラスグローブを使うとモデリングランプによる露出とストロボによる露出の微妙な差を埋めることができます。ソフトボックスなどで拡散させる時には、モデリングランプとストロボの露出差は無くなるので、ガラスグローブは必要ないそうです。(自分は取るのが面倒なので付けっぱなしにしてます)
ガラスグローブは時計方向に回すと取り外したり付けたりできます。ネジ式ではないので付けるときも外すときも同じ方向に回します。
ガラスグローブを取り外すた状態です。中心部にあるのがモデリングランプです。その回りに円形になっている筒がストロボになります。この部分は熱くなるので使用後は触ると危ないです。あと素手で触ると指の油分がコゲてこびりつくとか。本などでは15000回くらいでストロボは交換するらしいです。回数は発光の強さなど使い方で変わってくるらしい。ヨドバシの店員さん曰く、買ってからめったに交換する人は居ないそうです。(使えなくなる前に落として使えなくなることの方が多いらしい)
モノブロックはライトスタンドに取り付けて使うことが多いです。他にクリップに取り付ける方法などがあります。棒には凹んでいる部分があるので、そこがライトスタンド側のネジ部分に当たるようにします。そうすることでモノブロックが横に回転するのを防ぐことができます。
ライトスタンドって何?
三脚はよく聞くと思いますが、似たようなものにライトスタンドというのがあります。上の写真はマンフロットのものです。軽くて複数持ち運ぶときに引っ付けることが出来るので好んで使っています。
2つのライトスタンドのくっつけ方としては、一番したに引っ掛け部分があるので、そこにひっかけて・・・
上の部分を通せばひっつきます。
取り外すときは赤いボタンを押しながら離します。
こんな感じに2つくっつくので持ち運びは楽です。
立てるときは赤いネジを緩めて脚を広げます。広げたあとは赤いネジを閉めて動かないようにします。
立てるとこんな感じになります。
三脚ほど安定性はありません。そのため下の部分にウェイトを乗せます。ただそのウェイトの価格が高く、4キロ6千円ほどします。また4キロを持ち運ぶのは困難なので、カバンを載せるとか、現地でペットボトルを買って袋に入れてぶら下げるとか、そういった工夫が必要になります。
他にライティングに必要なものは?
被写体の上からライトを当てたい場合にはブームを使います。ライトスタンドの上に横長の棒をブームと言います。ブームの片方にストロボを・・・
もう片方には重しを乗せます。バランスを取って置かないと撮影中にライトが落ちてきたりするのでちゃんとしましょう。ここではペットボトルに水を入れてぶら下げました。
被写体としては発泡スチロールの頭像を使ってます。ただこれだと毛の質感が分からないので下にクッションも敷いています。もう少し練習に適したものがあれば良いのですが・・・。ウィッグでも買って上げた方が良いのでしょうか。
ライティングとしては、前面からのメインライトと、アンブレラによるトップライトです。メインライトと反対側にレフ板を置きます。
露出計、カメラとモノブロックをつなぐ
多灯ライティングをする時には露出計を使うと便利です。ここではセコニック デジタルマスター L-758Dで説明します。
右下に取り付けたのがシンクロコードです。これを付けることで、露出計のスイッチを押すと同時にストロボが一斉に発光します。
モノブロック側にもシンクロコードを取り付けます。P.CELLをONにしているので、2つあるモノブロックのうち、一つのだけ接続すれば他のモノブロックも発光させることができます。コードの取り回しがしやすいモノブロックに接続すると良いです。
カメラにもシンクロコードを取り付けます。これで露出計、カメラどちらでもストロボを発光させることができるようになりました。なおこの3つを接続するのにセコニックのシンクロコードを使用しています。モノブロックについていたのはモノブロックとカメラを繋ぐだけしか出来ず、二股分岐させるにはセコニックのシンクロコードが必要です。
露出計で露出を測定
露出計の設定を行います。コードを付けてストロボの強さを測定しますので、モードをストロボコード付きモードに切り替えます。
シャッター速度は1/60、ISOは使用するものを設定します。シャッター速度が遅いように感じるかと思いますが、ストロボ光が瞬間光なのでぶれないので大丈夫です。
設定が終わり、測定ボタンを押すと、適性露出になるF値が表示されます。またデジタルマスター L-758Dでは定常光とストロボ光が何%の光量比なのかも表示されます。
顔などの立体的なものを測定するときは、上の白いボールを上に出して測定します。上に出すのはクルッと回すと出たり引っ込んだりします。
測定はこんな感じで行います。
ここで露出計に表示されたシャッター速度、ISO、F値をカメラに設定して撮影します。
そうするとこんな感じで撮影されます。
次にメインライトと反対側にレフ板を置きます。レフ面は白色です。
そうすると少し影が和らぐ。
レフを銀面にするとより光が反射されます。
露出のムラを見る
一箇所だけ測定して撮影してもシャドウがカメラのダイナミックレンジ内に入っているかわからないので、複数の箇所で測定する場合もあります。
こういう風に顔の下の位置も測定したい。
まず基準となる露出の測定が終わったら、MEMORYボタンを押して露出を記録しておきます。
記録されるとこのようなM1と表示される。Mはメモリー、1は記録している露出の回数。
次にアベレージボタンを押します。。
それで測定したい場所で、測定スイッチを押すと、スイッチを押している間、基準となる露出との差がEVで表示されます。一眼レフだとハイライトからシャドウまで7EVほどなので、どこをハイライトとするかなどを決めて、必要に応じてライティングを変えていくことになります。(ハイライトがオーバーしていればストロボを弱くするとか、暗いところにフィルインを追加するとか)