スタジオでのポートレート撮影からレタッチまで
なかなかポートレート撮影についての記事を見かけないので書いておきます。
誰かに教わったわけではなく、全部自己流のため、こうした方がより良いというのがありましたらコメントをいただけるとありがたいです。
撮影時のライティングについて
上の写真はRAWで撮影して何も修正しないで書きだした写真になります。このときのライティングは下のような感じです。
2灯ライティングと呼ばれるもので、クリップオンストロボ2台と、ルーセントアンブレラ2つを使っています。ストロボの高さは一つは顔の高さに合わせ、もう一つは顔より少し高い位置に置いています。
ルーセントアンブレラというのは、その名の通り、光を透過する傘で、白い布の傘なのですが光を透過し光が拡散します。普通のアンブレラでは集光してしまって影が出来やすいのと、アンブレラの向きをキチンとセッティングしないと上手く光が回らないです。
ルーセントアンブレラは光が拡散するので、少しずれたくらいでは光が拡散しているので気にせず撮影ができるので重宝しています。またカメラのアングルを変えようとするとライティングも一緒に動かさないといけなくなるのが少なくてすむというメリットもあります。
クリップオンストロボとルーセントアンブレラの距離はできるだけ離します。光源から離れれば離れるほどディフューズ効果は高くなります。
ルーセントアンブレラとモデルさんとの距離はできるだけ近くにします。ディフューズ面に近いほど肌が綺麗に写ります。
書き忘れていましたが、ストロボを顔の高さに置くのは、目の下に影を付けないようにするためです。また顔の高さにストロボを置くとキャッチライトが入りやすくなります。
よく斜め45度上からライティングすると書かれているのですが、キャッチライトは入りにくく、影がキツすぎるので、今のセッティングをメインに使用しています。
2灯目を少し高い位置に置いています。どうしても横からの光だけでは光が上手く回らないので、上から光を回すようにしてます。ムーブなどを使うのも良いのですが、ウェイトを準備するのは一人での撮影では難しく、またスタジオ内を機材を持って移動することも多いため、一人で撮影ができ、かつ満足のいく写りにするために今のようなライティングをしています。
作品作りではもっと陰影を付けるべきかもしれませんが、自分にはそこまでの技量がないため肌は明るめ、トーンカーブで肌が右寄りになるような調光をしています。
欲を言えば髪が黒で背景も黒なので、髪にアクセントライトで照らした方が綺麗でしょうか。
撮影時のカメラの設定
- RAW+JPEGで写真を保存
- ピクチャースタイルはポートレートかスタンダード
- 絞りはF8近辺 (レンズの特性による)
- シャッター速度は1/80~1/125
画像サイズですがRAW+JPEGで撮影しています。RAWで撮るのはホワイトバランスと露出が狂っていても後で修正が効くようにするためです。とはいえ撮影後すぐにモデルさんにJPEGデータを渡しますので、できる限り撮影時に適正値に合わせるようにしています。
JPEG渡しを考慮してピクチャースタイルはポートレートに。デフォルトの設定から変更していません。値は変更してみたのですが、一つ変更すると効果がキツ過ぎると感じるためデフォルト値に戻しました。
絞りですが、撮影に使っているレンズが一番シャープに写るところを選んで居ます。Photoshop CS6のぼかしフィルターがかなり優秀なので、撮影時にはできる限りシャープネスに写るようにしています。
レンズ固有のボケ味が楽しめないというのがあり、開放付近と絞った2種類撮影できれば良いのですが、ライティングの値をコロコロ変えるのは時間がかかるため、一度F値を決めたら露出の微修正にしか使っていません。
F8辺りになるとスタジオについている蛍光灯の明るさに影響されなくなるので、ホワイトバランスをクリップオンストロボに合わせるだけで済むというメリットもあります。定常光とクリップオンストロボのミックス光になるとホワイトバランスの修正が難しくなります。
RAW現像
RAW現像にはLightroom4を使いました。Digital Photo Professional(DPP)やSILKYPIXやDxOなど色々と使っていますが、主に使うのはLightroomです。
自分の場合は他の人より撮影枚数は少なく、一度の撮影で350枚程度ですが、100枚を超えた時点でDPPは選択肢から外しています。
DPPは解像感はあるのですが、色など微妙な調整がしにくいのと写真管理機能が自分には合わないので避けています。1枚だけレタッチするために、できる限りシャープな写真が欲しいときのみDPPでシャープネスやデジタルレンズオプティマイザで収差補正をかけ、Photoshop CameraRAWで色合いやコントラストなどを修正しています。
Lightroomには段階フィルターやブラシによる部分修正などができるのですが、Photoshopの方が色々とやり直しが効くため殆ど利用していません。
Lightroom側では露出やトーンカーブ、白飛び補正などbit数が多いことで享受できるメリットのみを利用するようにしています。あとトリミングに関してもLightroomの方が扱い易いので行なっています。
Photoshopでの肌のレタッチ
肌のレタッチですが、方法として産毛を残す方法とボカしてツルツルにする方法の2種類があります。産毛を残す方が難しいです。ここではツルツルにする方法をとります。
スポット修正ブラシ、修正ブラシ、パッチなどを使います。
最初に新規レイヤーを作ります。修正した箇所のみ描写されるレイヤーなります。
スポット修正ブラシを使うときは下のように細長くして使っています。
角度はブラシを動かす方向によって調整しています。
スポット修正ブラシの設定は、コンテンツに応じると全レイヤーを対象にチェック。修正する頻度によってモードは通常か置き換えを切り替えます。
ブラシの角度ですが、ブラシを動かす方向に対して垂直か、角度のついた感じにしています。細くしているので丸いデフォルトのブラシより細かい部分の修正がしやすいです。ブラシを動かす方向はトーンが同じ方向に。
塗りムラを抑えるには
塗りムラは目で見ているだけではわかりにくいので、調整レイヤーでトーンカーブを選び、コントラストを高くします。凹凸や塗りムラが強調されてわかりやすくなります。
まつ毛の追加や陰影を付けるなど他にもやるのでしょうが、今日はここまで。