ART Apps Collection
2月7日、国立新美術館で開催されている文化庁メディア芸術祭にて「ART Apps Collection」が行われました。
これはアーティストが開発したiPhoneアプリを紹介するイベント。
自分はケツダンポトフのそらのさん(TwitterID @ksorano)のダダ漏れを観ていました。
メディア芸術祭公式iPhoneアプリも
今回の文化庁メディア芸術祭には公式のiPhoneアプリ「JMAF navi」が用意されています。
JMAF naviはメディア芸術祭にて受賞作品の説明や、受賞理由などを見ることができるアプリ。それだけではなく、会場で自分がどこにいるのかを把握し、自分が居るところの作品を一覧表示できるそうです。
どのように自分の位置を把握しているかというと、3〜5メートルごとにWi-Fiのアクセスポイントを置いておき、どのアクセスポイントに接続しているかで判断しているようです。
また「Twitter機能」もついており、作品につぶやくことができるそう。つぶやきはハッシュタグから検索され、メディア芸術祭の会場に設定されているプロジェクターに反映されるそうです。
この「JMAF navi」は作者さんのコメント動画が入っているため、データサイズが10MBを超えており、3G回線ではダウンロードできないので注意してください。
APP Storeのカスタマレビューではあまり評価されていないのがちょっと残念ですが、会場に行ってからこのアプリを見ながら観賞するにはマッチしないんでしょうね。会場に行くまでのパンフレットの代わりとして、事前に電車の中などで予習しておき、会場ではTwitterでつぶやくという使い方がいいんじゃないかと思います。
アプリの出来や芸術性がどうかというよりも、iPhoneという端末が芸術祭の一コンテンツとして発表されたことが大きなことなのだと思います。
iPhoneコミック
株式会社ホットソースが出しているiPhoneコミックについて説明がありました。
サイトはこちら
iPhoneでも1ジャンルを築いている電子書籍ですが、今回は芸術祭ということもありコミック制作側からの説明でした。電子書籍はなかなか普及しない理由は、優れた端末がないことと、出版業界の事情ということで、ここら辺はこの間Ustreamで中継されていた「2010年の出版を考える」で言われていたことと同じですね。
無料でiPhoneアプリが作れるサービス
iPhoneアプリを作成するためにはObjective-Cなどの特別な知識が必要ですが、そんな知識がなくてもiPhoneアプリが作れるサービスが「iPhoneAppBuilder」
写真集やパズル、カレンダーや時計などが作れるようです。作ったiPhoneアプリはAppStoreで230円で販売されます。ただしすべて自分の利益になるわけではなく、プランによって入ってくるロイヤリティが異なります。無料で作った場合は10%、ベーシックコースで制作費5万円を出した場合は40%がロイヤリティとして入ってくる仕組み。また無料配布したい場合のコースもあります。
作るときは自分で撮った写真を使ってもいいですし、Frickerのクリエイティブコモンズで公開されている写真を組み合わせても作れるそうです。
ただ単純に写真を組み合わせただけではAppleの審査に通らないようですね。Twitterの反応を見ていると写真を見るだけで230円は高いんじゃないかという反応でした。
簡単にアプリが作れるのですが、すでにiPhoneアプリで売り上げを伸ばそうと思った場合はプロモーションをする必要があるので、一つアプリを作ってというよりかは沢山のアプリを作ってやればいいじゃないかという考え方ですね。
このサービスの面白いところは、ネット上のユーザーに対してアプリ制作プラットフォームを提供することで、数打ちゃ当たる戦法を取れるところだと思います。ただ本当にプロモーション能力のある人は、これくらいだったらネット上の情報を合わせてアプリを作ってしまうと思うのですが。。
Memory Tree
Memory TreeについてはiPhone 3G時代からあるため、かなりの人が知っているものだと思っていたのですが、USTのチャット画面を見ている限りは知らない人が多いようです。
中の説明で面白かったのは、こういった写真を投稿するサイトで気になるのは不適切な写真がアップされないかということですが、写真を「思い出」と言い換えたところ、実際にはそういったことは起こらなかったとのこと。写真集を出せるくらいステキな写真も沢山集まったそうです。
ブロークンウィンドウ理論ではないですが、インタフェースが人の行動を決めていくのは面白いところです。
「addLib」で飾りたくなる写真に
WOW(@wowdev)が発表した第1弾iPhoneアプリ「addLib(アドリブ)」が紹介されていました。20人ほどのデザイナー集団が作成したアプリということで、とにかくカッコいい!プレゼンでもあまりにかっこ良くて見惚れてしまいました。普段はコマーシャルなどの動画コンテンツを作成されているとのことです。
しょこたんの次のアイドル?「天野あい」さん
海外で作品集を出版し、新世紀フォトグラファーJulieを演じている「天野あい」さんの公演でした。
紹介されていたiPhoneアプリは「Pixel Love」どういったアプリかというとCGでコラージュした写真の上をタッチすると波面が広がるようなアクションがあるというもの。
アニメやマンガ、アイドルといったオタク文化は「天野あい」を生み出すための素材であり、生み出された「天野あい」もまた素材だとの発言からは、東浩紀のオタク文化はデータベース化されたキャラクター特徴を組み合わせて新しいキャラクターを作成し、データベースを再構築するというのを思いました。
オタク系アイドルではしょこたんが有名ですが、天野あいさんはオタク文化を基本にしながらも、オタク文化とは一歩距離を取っているところが面白いと思います。
一般的なアイドルDVDも出されているようですが、それも表現の一種でしかないと思えてしまうところが凄いですね。なかなかセルフプロデュースで海外に売り出すのは難しいと思いますががんばってもらいたいです。
あと今回のコスプレもご自身が徹夜で作成されたものだそうです。この路線を見ている限り、日本のオタクを先鋭化させたが為に、日本受けしないという感じがしますね。日本のオタク文化に寄り添って行きつつもギリギリで突き放している、うしじまさんと比較するとアプローチの違いが面白いですね。