電子書籍ポータルシステムを考えてみた
Amazonのkindleが最高のギフトアイテムになったり、クリスマスの売り上げが紙の書籍を一時的とはいえ追いぬいたというニュースにもなり、今年こそは電子書籍が爆発的にヒットするんじゃないかと言われています。
ただ、アメリカではホリデーシーズン前に大量に本を買って読むこと、日本では再販制度があるからそのまま当てはまらないといった指摘があるのも事実。
じゃあどんなシステムだったら売れるのかを考えてみました。
過去の事例に学ぶ
まずはApple Storeをみてみる。Apple StoreではiPhone向けに電子書籍を販売している。2010年1月27日に発表されると噂される「iSlate(仮)」で電子書籍を読めたらと思っている人も多いはず。
iPhoneとの同期が簡単に行えること、大量のデータを操作性の良いパソコンから行えることからユーザーのメリットも大きいです。販売側としても囲い込みができることのメリットがあります。
ただ既にAPP Storeでのアプリ販売で問題になっているように、ランキング上位に入らなければ売り上げが伸びないというのがあります。
また単純にAPP Storeに登録すれば売れるわけではなく、プロモーションを行わなければ売り上げが伸びないことが指摘されています。
(例えばAppBankに載せてもらうなど)
またジャンル分けしていないため、あるジャンルの本で新作が出ているかを探しにくい。
これだと爆発的に人気のある作品しか表示されなくなってしまう。
Genius Barでお勧めによって、自分の興味のある本が紹介されるため、新しい体験をすることはあるが、音楽よりも嗜好がばらけている本だとこのネックは痛い。
iTunesから学べることをざっくりと挙げてみる。
- ハード管理の手間をできる限り無くす。
- ファイル管理のインタフェースは統一する。
- 色々なパターンで検索できるようにする。
- 売り上げを伸ばすためにはプロモーションが必要。
- ユーザーが新しい体験をするために、一定速度以上で新しいコンテンツが出てくる必要がある。
- 誰でもプロモーション活動ができるように外部リンクを貼れる
- ユーザー同士がアプリを勧めるコミュニティが形成される必要がある。
- 無料アプリなどの宣伝とお金を出して買ってもらうまでの仕掛けが必要。(プリンターの本体を安くして導入の敷居を低くしておいて、インクを高く販売して儲ける仕組み)
Amazon
次にAmazonを見てみよう。Amazonの場合はジャンル分けしてあるため目的の本が探し易い。
リコメンデーションによって勧めてくる本を思わずクリックしてしまう、購入までのスムーズな流れが嬉しい。
またアフィリエイトによって多くの人がプロモーションをやってくれる、販売側のメリットがある。出版社や本屋がPOPを用意しなくても、本を気に入った誰かがやってくれる。
Amazonから学べることをざっくりと挙げてみる。
ニコニコ動画
次にニコニコ動画を見てみる。物を販売していないじゃないかと言われそうだが、いかに面白いものを多くの人に知らせるかに挑戦し続けているため、そこを参考にしないのはもったいない。
ネット上に人が集まっているのを、いかに視覚化し、より人を集めるかを実践するのが重要かがわかる。
- 世界の新着動画により、人の目につく仕組みを作っている。
- ランキングを操作する権利も販売している。
- キーワードによりユーザーが独自にネットワークを構成する
- 新着コメントにより古い動画も人目につくことができる
- 今日何が盛り上がっているのかをランキングで見ることができる
- 新陳代謝が激しいが、昔のものもランキングに出てくる
- 通信速度が速い、表示が速い
今考えているイメージではニコニコ動画+電子書籍。本を読んだらその感想を誰かと共有できたら嬉しいし、自分が面白いと思うジャンルが簡単に探せるようになれば毎日が楽しい。
電子書籍ならではの機能が欲しい
まず引用リンク機能が欲しい。どんなのを考えているかというと、書籍を読んでいると参考文献が出てくる。それをわざわざ検索にかけるのが面倒なのだ。ポップアップで表示されてすぐ購入できるか、もしくはウィッシュリストに入れておけて、あとからじっくり吟味できる。
またブログなどにも引用できるようにして欲しい。アフィリエイトをやっている人は分かっていると思うけれども単純にリンクを貼っても誰も買いたいとは思わない。一定の文章を読んだ後、無性に読みたくなる!
これを引用できるようにして欲しいのだ。写真と文章で組版してあるものは特に思う。
GISとの連動
GISとは地理情報システムのことだが、どんなのを考えているかというと、例えば横浜に居るとすると、横浜をより楽しめる街ガイド本を表示してくれる。他にも柳田國男生家に行ったら、柳田國男関係の本を表示してくれる。
GISによってより楽しむための情報を自動で提供してくれる、そんなのが欲しい。
文章構造の理解の共有
MEETというのがIT教育として実験されていたのを知っている人は居ると思う。その中でも「MEET eJournalPlus」というのは電子文書を選択し、文章構造を図にすることができる画期的なものだ。
はてなブックマークだと手軽にコメントを書くことができるので便利な反面、みんながどこのことを指しているのかを判断する必要がある。
また文章構造が視覚的に見ることができると、誤読しているかがパッと見ただけでわかるのだ。