信号伝送
チップ上のメタル配線は抵抗とコンデンサからなる分散RC伝送路として考えることができる。RC伝送路は信号遅延を起こしたり、エッジを緩やかにしたりする。信号の立ち上がりが遅かった場合にはジッタが発生する可能性がある。クロック配線などの大きな負荷容量を持つものは注意が必要になる。
配線に負荷が入っていない場合の遅延は配線の長さの2乗の関係になる。配線にリピータを入れて区間を区切ることで伝送遅延は2乗ではなく比例関係になる。
ネットワークを組むときに配線が長いとリピータを入れろって昔いってたのはこのためなのかな。
配線負荷の大きいところは配線幅を太くすればいいらしい。RCをどうやって小さくしてやるかってことを考えるわけだけど、配線幅が広くなることで抵抗が反比例に下がり、容量の増大は幅に比例だけれども縁の太さは同じなので比例関係にはならないのだそうだ。ということでRCを下げることができる。こういうのを考えるときは配線と配線同士の容量、上下の層との容量を考えないといけないためややこしい。
配線を太くしたことによるデメリットは容量が大きくなったことにより電力が増える。やっぱりリピータを用いて区切る方がいい。
エッジが丸くなるのはRCによりローパスフィルタと同じ効果となるため。急峻な波形は分解してやると高い周波数を持っているので高周波成分が除去される。そのためエッジがとれてしまう。
オーバードライブ
RC伝送路によるローパスフィルタの効果をあらかじめ考慮して送信するのがオーバードライブ。より高周波成分を多くしてやることで、滑らかに電圧が上がっていくのを防ぐ。
ただしオーバードライブよりもリピータの方が効果的。リピータにオーバードライブ機能を持たせることもできるけど、そのためにゲインを上げなければならず、そうするとリピータの遅延が大きくなってしまって意味がない。小さいリピータを用いるべき。
ネットリストを作成したあとに挿入すればOKなのか。
アイダイアグラム
差動プローブでPCI-ExpressやUSBの測定を行うときに使う。USBのドキュメントにも出てたっけ。0と1が連続している場合の信号の減衰量が50%以上のときは検出できなくなる。
参考になりそうなサイトhttp://zone.ni.com/devzone/cda/tut/p/id/5669
ジッタとかの説明がわかりやすい。
イコライズ
平均化のことをイコライズっていう。伝送路の伝達関数の逆関数にする。詳しいのはよくわからないんだけど、トムリンソン符号化のことらしい。有限インパルス応答で実現するとのこと。わからない単語だらけ。Wikipediaには有限インパルス応答についての記述があった。
伝送路の減衰が予想されるときだけなので、レイアウトが終了しないとわからないのかな。じゃあイコライズを挿入して信号伝達を良くしようってのは難しい。あくまで参考程度なのかな。
双方向伝送
双方向伝送では2本の伝送路を使う。両端を終端しないといけなくて、送信電力が2倍になる、もしくは信号振幅が小さくなる。あと遅延などの整合がとれていない場合は反射されてしまう。