IT系メモ

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レポート(随時更新中)

Siデバイスは重要システム、電子デバイス、密集デバイス、家電製品、情報システムなどに使われており、生活に欠かせないものとなっている。より高性能、低コスト、高信頼性を確保するために大森さん他技術者は開発している。
20年前は日本は世界で頂点を独占してきたが、近年はアメリカに抜かれ、アジアの急成長により競争が激しくなっている。競争に勝つためには日本の得意分野に焦点を当てていかなければならない。
日本の得意分野はレーザー、CCD、マイコン、ディスプレイ、センサー、パワートランジスタ等である。
これらの発展を支えるためには製造技術、計測技術を同時に高めていかなければならない。
現在ではSiデバイスが主流であるが、Siの性能の限界が見え始めたことで、新材料、新製法の確立が求められている。
まずSiがどのような経緯で発展してきたのか、そして限界はどのようなことなのかという説明があった。
50年から70年代にかけては部品の開発を、それから10年は単機能のデバイスの開発、そして複雑システムの開発へと進んできた。
それに伴い、設計量の増大による設計生産の向上の問題が浮上してきた。IP単位の設計、設計レベルの抽象度拡大を行うことで設計が進歩してきた。しかし更なる設計時間の短縮が課題となっている。
他の問題として熱の問題と配線遅延の問題がある。
しきい電圧の低下によってリーク電力の増大、それによる発熱量の増大が起こり、それがまたしきい電圧の低下がサイクルとなってしまっている。また発熱は局所的に発生しているのでヒートシンクの開発(グラファイト、ヒートポンプ等)が求められている。
他にエッチングの問題がある。微少化が進むにつれ、エッチングでは異方性、寸法精度、選択性が問題となっている。ナノスケールのプロセス制御、エッチングの反応機構の解明、モニタリングとフィードバック制御が課題となっている。
大森さんが以前研究してらした、プラズマエッチングでは、形状、選択性、均一性、再現性、低ダメージであることが要求される。
性能を上げる為にはまず計測を行ってどのような現象が起こっているかを確認する必要がある。
計測しなければならないのは、プラズマにおいては電子密度、イオン温度、中性活性度、反応生成性を、ウェハを置くシースでは入射イオン種などを測定しなければならない。
プラズマエッチングではプラズマ生成の相互作用、気相反応、表面反応などを全体を考慮しなければならない。プラズマエッチングの性能評価するには入射フラックス比を測定すればよい。
技術を進歩させる為の流れは、メカニズム解明→要求を抽出、プロセスの最適化といった順に10人くらいのチームを組んで開発を行っていくそうである。大森さんが研究していたSiC材料はまだ研究期間が短いために技術がそれほど確立していない。しかしこれまで50年間の技術の集積があるSiの技術を転用させることで、開発速度を促進することが可能ということである。

Non-Siデバイスが求められている分野でインバータがある。インバータとは交流モータの回転数を制御するための装置の中心として利用する。直流を交流に変換するのが役割である。
インバータの課題としては高効率化、小型化、低コスト化、高信頼化、環境適応(低騒音など)が上げられる。効率化として、変換効率は1980年では0.1Wであるのに対し、2000年では1.5Wとなって改善されている。2020年には新デバイス、新集積技術の確立によってより高い効率がの実現が望まれている。

SIパワーデバイスの歴史として、1985年を第一世代とし、1990年までを第二世代、1995年までを第三世代、2000年までを第四世代、そして2005年では第五世代として研究が進められている。第一世代と第五世代を比較するとパワーロスは三分の一にまで減少しており、めざましい進化を遂げていることがわかる。さらなる発展の為には新材料デバイスの開発が求められる。パワーデバイスではワイドバンドギャップが大きい材料が有利である。Siのバンドギャップが1.1eVなのに対し、4属を利用したSiCは3.20eV、3ー4族を利用したGaNは3.02eVとなっており、いずれもSiよりも大きなバンドギャップを持っている。
またパワーデバイスでは第電流を流すので、それに対する耐性も求められる。絶縁破壊電界強度とバンドギャップとの関係において、バンドギャップ増大するに従い、絶縁破壊電界強度は指数関数的に増大する。なので少しでもバンドギャップが大きい方がパワーデバイスの材料として的していることになる。このことからもSiC、GaNがSiよりもパワーデバイスとして適した材料だということがわかる。
パワーデバイスには大電流が流れることによる発熱も考えなければならない。移動度が早く高速なデバイスを作ることが出来るGaAsは熱伝導が低いために冷やしにくく、放熱処理が難しい。一方SiCは移動度はそこそこ大きく、熱伝導率が高いことが上げられる。こ

今回のお話ではNonSiデバイスとしてSiC、MEMSデバイスが中心だった。

SiCMOSFETを作るときの問題点として、Siで作る場合に比べて拡散が遅いといったことがある。それによって活性化熱処理温度を1600℃から1800℃とSiに比べて高温にする必要がある。
SiCでは蓄積電荷がSIに比べて小さい。これによりスイッチが起こったときにオーバーシュートが起こるが、SiCではテイル電流が小さい。これはスイッチング損失が小さいことに影響する。Siではスイッチング損失は温度の影響を受け、温度の上昇とともにスイッチング損失は上昇するが、SiCでは温度を上げても200℃くらまでは影響をほとんど受けない。パワーデバイスとして1.2kV、10Aという大電流を流すので、発生する熱も膨大となり、高温で動作せざるを得ないので、これは有利に働く。
最終的にSiインバータに比べSiCインバータは電力損失が54%も削減される。

これからのSiCパワーデバイスの課題は、低抵抗化、信頼性の確保、プロセス装置の開発、SiCデバイスを生かすモジュール、システムとしての低コスト化、ウェハの高品質化と口径拡大、低価格化が求められている。

MEMSとは微少電気機会システムのことで、従来電気機械個別の機能を複合していた能動・受動阻止、システムを精度がミクロンオーダーの技術をベースにウェハプロセスとマイクロマシニングで作成したシステムのことである。MEMSの特徴として、小型、大量生産、微少構造要素を電子回路インタフェース、マイクロセンサなどである。センサによるマイクロ化のメリットは、微少量の計測が可能であること、微少領域の計測が可能であること、高集積化、多素子分散配置で総合センシング、冗長性を持たせ信頼性の向上、環境を乱さず自然状態に近い測定が可能であること、省資源化・省エネルギー化が可能であるなどである。
MEMSを利用したデバイスには、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、流量センサ、Siマイク、赤外線センサなどがある。
MEMSを大まかに分類すると、光MEMS、RF-MEMS、流体MEMS、センサMEMSとなる。光MEMSはディスプレイ、光スイッチ、スキャナなどに利用されている。RF-MEMSはFDARフィルタ、スイッチ、可変フィルタなどに利用されている。流体MEMSはマイクロ燃料電池改替器、科学分析チップなどに利用されている。センサMEMSは圧力センサ、歪ゲージ式、受圧面のセラミックメニプレンに形成した歪みゲージを抵抗で検出する際に利用されている。
加速度センサはエアバックなどに利用されており、従来機械式加速度センサに利用されていたのがMEMS加速度センサに置き換えられようとしている。単結晶Siの特徴を調べることで、優れた機械特性、電気特性を有していることがわかったので、自動車用センサに適している。
流体センサは以前はカルマン渦式、熱線式が利用されていたが、現在は高感度のMEMS流量センサに置き換えられている。
回転センサ、車シャフトなどには、光学式、電磁式、磁気センサ式がある。光学式は精度が良いが、環境に弱いという弱点があり、様々な環境で使われる車には適していない。そこ様々な環境でも測定できる磁気センサを車は採用している。
圧電センサにはピエゾ抵抗方式、静電容量方式、共振方式がある。
MEMS圧電センサの製造プロセスの特徴として、ばらつきの少ない抵抗の作成、ウェハプロセスにより一括大量生産が可能である。
加速度センサはくし型の素子を二つ、お互いに重なり合わないようにし、加速度加わったときに二つの素子の距離が変化する。それにより静電容量が変化するので、それを測定することでどれくらい加速が加わっているかを測定することができる。
流量センサはカルマン渦式などがあったが、精度が高いMEMS流量センサに置き換えられようとしている。

まとめとして、MEMSの課題として、WBG、CN等の新材料、新構造の発見、エピ・デポジッションエッチングの解決ができる新技術の開発、Siデバイスで養った技術の流用によって更なる発展が必要である。